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第15話 ”Rubbish”  こんなもの使い物になるか!

製品開発をしていると時として顧客からのクレームを受けることがよくあります。

特に特定顧客向け製品(OEM)の場合は、開発時点から顧客の役員クラスからもクレームが入ります。

それも世界的にメジャーな車メーカ、(G社とかF社とか、J社とか等々。。。)のです。

そんなクレームの中で

 

英語で言われる文句の中でどういうのが一番ひどい文句または、けなす言葉でしょうか?

ひどい製品だとか、使いものにならないというのが日本語では考えられますが、

 

英語では、「rubbish」と言うのが最も製品をけなす場合にインパクトが強い批判的な言葉のようです

意味は、くず、がらくた、ごみ という意味でgarbage というのもありますが

garbageは米語(アメリカ英語)で、rubbishは、英語(イギリス英語)としてよく使われます。

 

こんな言葉にもアメリカとイギリス英語の違いがあるのですね。

何故 こんな話をするかというと、実は私も言われたことがあるんです。

設計した製品を指して、It's rubbish と。

 

イギリスの自動車メーカーJ社の役員から、製品に関する完成度として、上記内容をメールで貰って、

最初は、どういう意味かよくわかりませんでした。直訳するとこんなのはゴミだ という意味ですが

rubbishという言葉が最上級?の蔑視的批判の言葉であるというのを知ったのが、

イギリス人の同僚に内容を見てもらった後でした。

そうです。

 

意訳すると さしずめ「こんなもの使い物になるか!!」とでも訳すんでしょうか。

同僚のイギリス人は、戸惑いながら、これは大変というようなことを言っていましたが

何がどう問題なのかがわからず、とにかく製品の改良をする前に、まずは謝罪をして

即刻、改良する意思表示をしなければなりません。

 

そこで、翌日、J社の役員に謝罪をしたものの、延々と苦情を述べられ、

こんな時にも英国人は周りくどい言い回しで、それも英国人特有のブラックジョークを交えて。

「いいよ、改良しなくても。、君ももうここへ来なくていいから楽でしょう。」

とかなんとか。。

 

 

さあ大変です、改良すること3ケ月後、実車での立ち合い試験のために再渡航し、

エンジニアと一緒に事前の現地での試験を。

実車で種々の道路走行試験によって評価するのですが、

 

しかし、ある特定のランナバウト(いわゆる信号のない交差点)に来ると必ず動作異常になるんです。

 

製品はGPSを元に動作する製品で車の安全には関係はないんですが、とにかく改良が必要で

その夜、徹夜して原因を突き止め、なんとか製品のプログラムを修正、翌日の試験走行に望みました。

 

そこで、試験走行には、前出の役員が運転し、私は助手席に同乗、機材の動作状況を監視していました

もうドキドキですね。

 

そこで、いよいよ、例の不具合を起こした地点へさしかかり、心臓が飛び出すほどの動悸でした。

運よく?鬼門を通過し、試験走行はなんとか成功へ。。。そこで、かの役員からは他の性能も含め

合格点をもらったというわけです。

 

お客さんのそれも外国人に謝罪することの難しさと言ったらなんとも。

 

最近、米国人の日本マクドナルドの社長が日本のTVで謝罪をする光景がありましたが、ああいうのは、

本人にとっては文化の違いがあって、なかなか心中難しいところがあるんだろうな

と自分の体験からも思われたものでした。

 

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