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英語 多読学習法

海外の面白い小説、海外の優れた文学本を原文で、英語で読んでみたいと思うのは、私だけではないだろう

いわゆる原書の文庫本であるペーパーバックを手にして読むものの、続かなかった経験があるのではないでしょうか。

かく言う私もその手で、海外の文学作品、小説を英語の原書で読みたいけど、難しいというわけですが。

 

そんな時

歩いて5分の所にある近くの図書館の集会室で「やさしい英語多読入門」という講演会があるというのを

市の広報市で知って申し込ん出席。

 

行ってみたら定員100名くらいの席は超満室で、聞くところによると募集をかけて3日で満室になったという事。土曜日に開催という事もあり出席者は20代から60代以上と幅広い世代のまさしく老若男女が出席。

いかに多くの人が英語に取り組み、悩みまたどうにかしたいと思っているという事がわかった。

 

講演は、英語の多読 NPO法人の酒井邦秀 先生という方で、この人が25年も前に始めたとのことで、そのそもそもの始まりの話からスタートしたのですが、この話がまた面白かったので、紹介します。

 

酒井先生は、もともと電気通信大学で教鞭をとっていた方で、学生に英語を教えていたわけです。

 

何年も何年も英語をわかりやすく、丁寧に学生に英語の授業をしていたのですが

そんなある日、ある卒業間近の学生が、講義後つかつかと先生の前に来て

「先生、先生の英語の授業は、わかりませんでした。理解できませんでした。先生の言う英語がわかるくらいなら、この通信関係が専門の学校で授業なんか受けていません。ぼくらは通信技術の専門学生であって、英語を主要科目としてはいないので、先生の専門英語はわかりませんでした」と言ったそうな。

 

先生は「がーん」とショックを受け、何年も英語を教えてきたのに、学生は何もわかっていなかったのか。とショックを受けたそうな。

 

そこで、先生は一計を案じ、やり方を変えることにしました。

学生を半々に分け、一方の学生には、今までの講義内容を、もう一方の学生達には絵本を見せるということをしたそうです。

 

絵本というのは、イギリスの子どもたちのためのイギリスの絵本でイギリスの家族の暮らしが分かるような絵本で、ストーリー仕立てになっており、そこに家族、友人、子供犬などが登場するもので、最初は、字が全くない絵本を用意して絵本は、ただ積んであるだけでどれを見ろとか、こうしなさいとは言わず、好きな本を持って行って席で見なさいと言いました。

 

時間が経つに連れ、英文字が少しづつ増えていく絵本を用意し、10語とか15語とかの絵本へ用意する本を増やしていったとのことです。10歳以下の子供が読む絵本ですから当然、文字は多くありません。

そうするうちに、絵本を読む学生は、黙々と来る日も来る日も絵本を読んでいました。いつもなら退屈して興味を示さない学生も絵本を読む場合は、興味を失うことはありませんでした。

 

試しに先生が、絵本を見る時間1時間とその後、先生が四方山話をする時間1時間を交互にとった場合、なんと学生は絵本を読む時間だけは熱心に、先生の話は退屈そうにしていることに気がついたとのことで。先生は愕然としました。

 

そうやって、次第に絵本の数を増やしていくうちに、次第に学生は、英語の絵本に触れる時間は増え、それも自分から興味を持って絵本を見るようになっていったそうです。

 

その後、何年かして、そうやって英語の絵本にに触れることで、あろうことか、最初は全然英語が読めなかった学生が

 

いつの間にか、ペーパーバックの本「赤毛のアン」を読んでしまった学生が出てきて、その時に先生は学生に言ったそうです。「すごいじゃないか」と。。。しかし学生はきょとんとして返したそうです。「そうですか?全然すごくないですよ。だって、ちっとも努力なんかしなかったんですもの」といったそうで。

 

何故、英語の絵本を見るだけで英語の原書が読めるようになるのか。。。

実際のたくさんの絵本のサンプルを見せてもらいました。それはOxfordから出版されている1歳から10歳位を対象にした絵本で

 

1冊に英語は1語か2語出てきて、10歳位になると10~20語くらいが出てきます。

そこで、先生が言うには、英語の単語がわからなくても、読み飛ばしなさい。読み飛ばして、次の絵本へ行きなさい。

 

そうやって次から次へと読んでいく(見ていく)うちに同じような単語や表現が出てきて、その単語の意味する感情や気持ちやなんとなく単語が意味するところが肌で(日本語はわからなくても肌で感じる)事ができるようになっていく。

 

実際に絵本を手にとって見ると むづかしい固有名詞(動物の名前)が一つだけ書いてある絵本があったが、その絵本を見ていくうちに

その動物が登場し、ストーリーを作っていくのですが、なんとなくその動物に名前や動作がそこに出てくる単語と同じなのではないかと思えるようになってきます。

 

つまり先生の言うには、英語の多読の3原則

 

1)辞書は使わない 2)分からないところは飛ばす 3)つまらなくなったらやめる

 

というのが重要でこれを厳守するんだそうです。

 

そこで、会場には、この多読方法を実際に経験してきた数人の多読方法体験者が居て

その話を聞きました。

 

ある女性ですが、その家族でこの方法で子どもと絵本を使い、やったそうです。

そうすると、子供が自発的に絵本を見るようになり、その後、絵本に付属しているCDを聞いていくうちに、発音も日本人の発音ではなくなりイギリス英語になっていった。

 

そして、学校の英語の授業でもその子が教科書を読むとあまりにネイティブらしい発音に「おーー」という声が聞かれるようになった。

 

そして、最近 Let It Goの歌が流行る前からを自分で耳で聞いていて、学校で口ずさんでいるうちに、教室内で歌って欲しいと言われ、また学校の修学旅行内で、また学校の催事の時に全校生徒の前でも歌ってほしいと言われ、歌ったそうだ。本人としても別に努力もなしに、楽しく英語を習得できたと。。。

 

そうなんです。絵本には、CDが付いているので、発音ヒヤリングもこなすことができ、またそれによって、しゃべることもできるようになる。それも英語を訳して日本語で理解するのではなく、英語を英語で理解することができるようになる それが「多読」なんだそうです。

 

こういう経験者が他にも何人か会場に出席されていて、異口同音に同じような体験をされていました

 

今ではインターネット上に「英語の多読」というサイトが多々あり、そういう趣旨の内容が書かれていrます。

 

私も仕事柄英語を読み聞き、話すことをやってきたわけですが、決して楽しいものではありませんでしたし、

ペーパーバックを読むことにはかなり苦労します。

 

こんな世界があったとは、私も知りませんでした。今からでも遅くないので、やってみようと思います。

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